大江慎也&The Roostersの軌跡

その昔、ルースターズというバンドがあって、SからZに変わって、大江さんが復活して・・・

後楽園ホールにて (1985.12.19)

後楽園ホールにて (1985.12.19)  / 角木さん (1997.9.29)

私がルースターズを初めて観たのは、アルバム”ネオンボーイ”発表後の後楽園ホールでした。 
正直なところ、客の入りは悪く、また後に下山君が言っていたとおり、ノリの悪い客ばかりでした。 
大江君の脱退や、花田君の状況から心配だったのでしょう、鮎川誠さんが脇の方で静かに観てました。

まだ新生ルースターズのオリジナル曲は少なく、"GOOD DREAMS"や"SAD SONG"、"ROSIE"も演奏していました。 
ただ、やはり大江君の曲は大江君の声を求めているのでしょう。 
花田君の唄い方や声では、あの曲たちはあまりに悲しく聴こえたのを覚えています。 
逆にアルバム"ネオンボーイ"や"SOS"の曲は、レコードの音よりもしっかりしていて、うれしかったです。
最終曲"SLEEP WALKER"は、そのときのルースターズのようにゆらゆらと揺らめいていたのが印象的でした。

当時私は、音楽関係のバイトをしていたため、週に2度程度はコンサート、ライブに行っていましたが、このルースターズのライブはカルチャーショックでした。
前列の客はじっと演奏者を凝視し、後列の客はずっと座ったまま、そのうえ予定調和のような盛り上がりはなく、アンコールを求める声さえかすかなもの。
だけれども客は演奏者を信頼しているのがわかる、そんな感じでした。