■VENUS IN FURSへの想い / 彩子さん (1999.01.28)
私が、大江に出会ったのは、14才の時でした。
深夜に放送していた「爆裂都市」を見たのがきっかけだったように思います。
今から、11年ほど前のことでしょうか?
最も、14才の子供が、内容を理解できるわけでもなかったのですが、「バトル・ロッカーズ」の演奏シーンと、「セル・ナンバー・8」だけは強く印象に、残っていました。
ルースターズの解散ライブも、雑誌の囲み記事で読んだのを覚えています。
既に、高校生になっていましたが、「大人のバンド」という印象だけで、忘れてしまっていたのですけども。
ただ不思議と「大江慎也」という名前だけは常に記憶の片隅にありました。
彼が、どんな人間で、何をしているのかすら、ロクに知らなかったにも、関わらずです。
「再会」は、3年程前にやってきました。その、きっかけが何であったかはもう覚えていません。
気がついたら、ルースターズ在籍時のアルバム、大江のソロアルバムを中古屋で探し回っていたのです。
14才の頃の出会いは、運命づけられていたのでしょうか?
いつの間にか、大江の奇妙な声は私の1部になっているのです。
まあ、始終聴いているわけではないですが、2ヶ月に、一度は聴かなければ耐えられない(笑)状態になります。
タチの悪いドラッグ中毒のようですね。(笑)
どうして、こんなに大江に惹かれるのでしょうね?
彼は、もう現役ではないし、たぶんシーンに戻ってくること(願ってはいますが)はないでしょう。
それでも、なお求めているのです。彼の歌が聞きたいのです。
かなわぬ願いでしょうか?
大江は、確かに歌の上手いシンガーではありません。
だけど、聞いている者の魂を、鷲づかみにすることが出来る
シンガーは、本当に数少ないと思います。
私は、大江の歌で魂を鷲づかみにされたいのです。
歌で魂が抜けてしまうような経験をしたいのです。
大江の歌の中で、最も愛するのは
VERVET UNDERGROUNDのカバー曲
「VENUS IN FURS」です。
大江バージョンを聞いて、原曲を知りましたが
私には、この歌は「大江慎也」のものです。
凄まじい孤独と虚無の中を、泳いでいる
ような、歌声をきく度に、大江の世界からは
逃げられないと思ってしまいます。
そして、その世界の住人であることに
不思議と安心を感じます。
やはり、私も、どこか病んでるのかなーと時々、考えますが(笑)。
ファンになった時期が、遅かったせいで数々の映像が廃盤になっています。
私が、ちゃんと見ているのは、久保講堂のライブ映像と前述した「爆裂都市」(これは、大江と池畑さんだけですが)のみです。
「パラノイアック・ライブ」だけでも、せめて見られないかと
中古レコード店や、中古展示会なども見て回って2年近くたちますが、いまだに出会うことが出来ません。
すごく、見たいのですが・・・・・。
このページで、初めて大江の生年月日を知りました。
大江は、もう40才になっていたのですね。
14才の時、初めて会った映像の中で彼は皮の上下を着てベースを弾いていました。
九州の言葉で話し、目の大きな少年の印象でした。
人は、変わっていきます。
だけど、私の中で「VENUS IN FURS」が、流れている限り、「大江慎也」は決して年をとることはありません。
朴訥で誠実な、パンク・ロッカーのままなのです。